詩人会議 新春号

NORIKO

2023年12月06日 20:13

記憶と声
                 
                      芝憲子

戦後生まれで
国をこえた反省の時代に
育ったはずだった
学校では 
国際連合ができたので
もう戦争は起きないと
教えられた

それがこの惨!
わたしの短い人生のおわりに起きている
戦争の時代

ロンドンにいたとき
パレスチナ人の一家と仲良くなった
「自分たちは難民だ」と悔しがっていた
難民だらけになった世界
またも戦場にというオキナワで
「子どもを殺すな」というボードを
自分の娘と持って立つ

人類が何度も浴びた反省の記憶は
現在のリーダーたちの脳には
しみ込んでいないのだろうか

記憶が
地からわきでる声になり
「子どもを殺すな
NO WAR」

   (『詩人会議』 2024.1月号)


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