2月3日の記事

NORIKO

2022年02月03日 13:59

詩  島の息吹(いぶき)
               芝憲子

朝のかがやき
夕のなみおと
深海を吸って  
花 咲きおどる

いくさが終わり
パスポートもいらなくなって 
やっとのんびり寝ころがっているのに
どこかの大陸がのさばる空から
窓や水筒が降ってくる
まだ赤い傷口に突き刺さる
五〇年ゆっくり眠れない

髪は 燃えた辺戸岬
あたまは辺野古
勝つまであきらめない  
からだは 中部
三線 ダンス 空手にマラソン
那覇や豊見城は心臓だ
子ガメ孫ガメ パタパタと
離島は指  
隊はいらない
足は南部の土砂のなか
先祖もともに守っている 

島は天才
縦横無尽のシマヂカラ
島の息吹(いぶき)にうながされ
列島のバネも
はじける音がする       

  (日刊『赤旗』 2022.1.1)


(比嘉かな子さんのエッチング「骨のカチャーシー」の写真をいれようとしましたが、できません。ログイン情報の有効期限が切れて、とか出るので、色々やってみたのですが、まだできません。比嘉かな子さん、ごめんなさい。「毎日新聞」の1月30日号にも、南部の土砂問題のコラムに詩のことが少し載り、銅版画、とあるようです。







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